二十五歳女 一人旅で自立する強さを得る

二十五歳女 一人旅で自立する強さを得る

私が生まれて初めて一人旅をしたのは、会社に勤めて二年目を迎えた五月のことである。

高卒で就職し、ようやく二十歳を迎えた。

そこで私は、ふと思ったのである。

どこか遠くへ行ってみたい、と。

私はこれまで、母親の言いなりになって育ってきた。

母親の母校に通い、母親と同じ職種に就き、母親が望むまま高卒で就職した。

大学への進学を望んでいたが、母親が否定するなら私も従おうと、自分の意志を持たないままに生きてきた。

それほどまでに、母親の存在は私を蝕んでいたのである。

しかし、その呪縛に疑問を抱くようになった「きっかけ」があったおかげで、今の私がある。

その「きっかけ」とは、私の趣味である小説だ。

私は小説を書く趣味を持っている。

社会人になり、小説を投稿出来るサイトがあると知ってからは、そちらに作品を発表するようになった。

そこで知り合った方々との交流によって、私は自身の家庭の歪みに気付くことが出来たのである。

彼らには感謝してもしきれない。

本題に戻るが、一人旅への憧れはこの頃に生まれた。

もっと外の世界を知りたい。

もっと多くのことを学びたい。

膨れ上がる好奇心に突き動かされ、私はGWの連休を利用して旅立つことに決めた。

自分一人でこなす旅。

誰の指図も受けず、責任を持って行動することになる。

それは母親の庇護を受けていた私にとって、大きなチャレンジだった。

行き先は母親の故郷、長崎。

下調べをしてスケジュールを組み、たった一日の弾丸旅行を計画した。

何もかもが初めてで、不安で、けれども楽しい旅路だったことを、今でも鮮明に覚えている。

初夏の日差しで火照った体を冷やす、甘いミルクセーキ。

青空の下、ドレスを着て歩いたグラバー公園。

涙がこぼれそうなほどに感動した、大浦天主堂。

旅を終えた後、私は思った。

一人でも出来る。

私にはその強さがある。

母親に支配されていたことで気付かなかった可能性に、私は気付くことが出来たのである。

今では何事も恐れず、果敢に挑むようになった。

気になるイベントには一人で参加し、積極的に知識と経験を積み重ねていった。

そうするたびに、これまで見えていなかったものが見えてくるようになった。

母親の愚かさと、重ねてきた苦労。

生まれ育った家庭がどれだけ歪んでいたか、という真実。

見えていなかった方が、幸せだったこともあるかもしれない。

しかし、私は何一つ悔やんでいない。

外へ飛び出して、多くを学んで、私は一人で生きていく強さを得た。

それは悪いことではない。

むしろ良いことだ。

もし、劣悪な環境に身を置く若者がいるのなら、たった一人で遠くへ旅立つといい。

周囲に助けられていたことを知り、そこから学べることがあるはずだ。

見える世界も変わるだろう。

そのうえで、今の環境から抜け出すための戦略を考えるのだ。

心配はいらない。

一人旅が出来る能力があるのなら、大抵のことはどうにかできるようになる。

どうか、簡単に諦めないで欲しいと私は願っている。